使用時間そのものを延ばす技術と並行して、「短時間で充電できる」ことも体感的なバッテリー体験を大きく変えてきました。本記事では、急速充電とワイヤレス充電という2つの充電技術の進化について、それぞれの特徴を整理します。
USB Power Deliveryなどの急速充電規格に対応する機種が増え、30分程度で50%以上充電できるモデルも珍しくなくなっています。出先での短時間充電でも、ある程度の使用時間を確保できるようになったのは、急速充電の普及によるところが大きいと言えるでしょう。
急速充電は熱を発生させやすいため、温度管理の技術も合わせて進化してきました。発熱を抑えながら効率よく充電するために、複数のチップが連携して電流を制御する仕組みが採用されています。
ケーブルを使わず、置くだけで充電できるワイヤレス充電も、近年ではすっかり身近になりました。Qi(チー)と呼ばれる国際規格を中心に、家電量販店や家具・自動車などへの組み込みも広がっており、充電体験そのものを変える存在となっています。
ワイヤレス充電は、有線の急速充電と比べると充電速度ではやや劣る傾向がありますが、ケーブルの抜き差しが不要な利便性は大きな魅力です。デスクの上やベッドサイドなど、置くだけで充電できる環境を整えることで、日常的な充電習慣そのものが変わってきているといえるでしょう。
急速充電もワイヤレス充電も、共通して向き合う必要があるのが「発熱」の問題です。バッテリーは高温に弱く、発熱は劣化を早める要因にもなります。そのため、最新の充電制御では、温度センサーの情報をもとに充電速度を細かく調整し、発熱を抑える設計が一般的になってきました。
素材、チップ、OS、充電——4つの進化を見てきましたが、バッテリー技術の進化はまだ続きます。最終回では、次世代バッテリーの展望と、日々の使い方で長持ちさせるためのポイントをご紹介いたします。