これまで4回にわたり、バッテリーそのものの素材改良、チップとOSによる省電力化、そして充電技術の進化についてご紹介してきました。最終回となる本記事では、これからのバッテリー技術の展望と、日々の使い方で長持ちさせるためのポイントをまとめます。
次世代のバッテリー技術として最も注目されているのが、「全固体電池」です。従来のリチウムイオン電池が液体の電解液を使っているのに対し、全固体電池は電解液を固体に置き換えた構造を持っています。
固体化することで、発火リスクの低減、エネルギー密度のさらなる向上、急速充電性能の改善などが期待されています。スマホへの搭載はまだ先になると見られていますが、自動車向けでの実用化が進めば、その技術がいずれスマホへも応用されていく流れになると予想されています。
第2回でご紹介したシリコン負極の採用拡大も、近い将来のスマホバッテリーに大きな影響を与えると考えられています。少しずつ実用化が進み、同じサイズでより長時間使える端末の登場につながると期待されています。
最後に、バッテリーを長持ちさせるための日常的なポイントを簡単にご紹介します。まず、満充電のまま長時間放置することや、0%まで使い切る運用は避けるのが基本です。20〜80%の範囲で使う意識を持つと、劣化を抑えやすくなると言われています。
また、夏場の車内など極端な高温環境での放置は、バッテリーに大きなダメージを与えます。冬場の極端な低温も性能を一時的に低下させる原因となるため、温度管理には注意したいところです。純正または認証済みの充電器を使うことも、安全面と劣化防止の両面でおすすめです。
スマホが長時間使えるようになった背景には、バッテリー素材の改良、チップやOSの省電力化、充電技術の進化という複数の要素があります。一見地味に見える技術の積み重ねが、私たちの「丸一日安心して使える」という体験を支えているのです。
今後も全固体電池をはじめとする新技術の登場により、スマホとバッテリーの関係はさらに進化していくと見込まれます。日々の小さな工夫を大切にしながら、進化するバッテリー技術を上手に活用していきたいものです。